今日は、アットエントリーが感じていることを書かせていただきます。
今年、縁があって長野県の伊那サーキット内に事務所を構えさせていただき、
モータースポーツの「現場」で、直接仕事をするようになりました。
伊那サーキットでミニバイク、モタード、エンデューロに4輪、ママチャリと様々なコンテンツのイベントを主催・運営させていただきましたが、予想をはるかに超える低調で、この状態が続けば、来シーズンはイベントを運営することが出来ない状況になってきております。
「参加者が集まらないのはアットエントリーの告知不足と内容が良くないからだ」
とのご指摘もいただいております。
おっしゃる通りで、少ない予算の中でやりくりしているので、派手な広告やゲストライダーを招待することができなかったり、豪華な賞品も用意できていなです。
それでも、皆様が満足いただけけるコンテンツを作ろうと日々検討、実施をしているところではあります。出来る限り参加したライダーの意見に耳を傾け、楽しくレースをするための方策を臨機応変に対応させていただいております。こうして出来る限り「レースに参加して楽しい休日を過ごす」為のお手伝いを
させていただいているつもりです。
しかしながら、今週末開催のレースの参加者は現時点で15名です。
近隣の協力していただけるバイクショップさんにライダーに声をかけていただいてもこのような状況です。地元長野県でレースに参加したいと思っているライダーが少ないのかもしれません。それとも「伊那のレースは面白くないからな・・・」と思っているのかもしれません。
サーキットはスポーツ走行にきていただくライダーの走行料金、そしてサーキットを借りてイベントをしていただくための貸切料金で維持・管理されております。
そのお金が少なければ、サーキットを維持できなくなり、最悪の場合サーキット閉鎖に追い込まれることになります。アットエントリーは、そんな危機をなんとしても避けたい、そして伊那サーキットが以前のような「賑わい」をみせるようになれば・・・・との思いで、イベント運営やサーキット管理のお手伝いをさせていただいております。
しかし、私だけの力だけではまだまだ足りないようです。
■レースイベントの悪循環
イベント参加者が減少 → 協賛スポンサーが集まらない(参加者が少ないイベントに協賛はできない。となる)
→ 予算が少なく広告費の縮小・賞品の減少 → 華やかさが薄れる
→ 参加者が少なければライバルが減りバトルがなくなるので、レースの醍醐味が薄れる
→ そんなイベントには参加したくない → イベント参加者が減少(最初に戻る)
まさに今、伊那サーキットで開催するイベントがこのような状況になっております。
今シーズン、予算の無い中で自分ができる事、思いつく事は出来る限りやってきたつもりですが、この悪循環を打破する方策が今のところ見つからないのが正直なところです。
このままでは伊那サーキットでバイクが走れなくなります。
サーキットを運営していくためにはある程度のスポーツ走行での利用者や貸切利用者が必要ですが運営していくために必要な額を満たしていない以上、サーキットを維持していくために他のジャンル(4輪やカート)や全く異なったサーキット利用の方向に向かっていくことになると思うのです。
(※注意:これはあくまでアットエントリーの推測で、サーキットから直接伺ったことではないです)
少なくとも、「モタード」に関しては今までのような回数でレースが行われることはおそらく不可能ではないかな?と感じております。
開催されても、エリア戦とオールスター1戦のみなのかな?と思います。
私はモタードが大好きで、昨年までオールスターをライダーらと共に転戦し、取材を通じて多くの方々にモタードの魅力を伝え、少しでも多くの方々にモタードに興味をもっていただけるよう努力をしてきました。その「想い」は今も変わりません。そしてこれからもモタードを発展させたいと思っております。
しかしながら、私だけの本当に小さな力ではこのモタードを含めたモーターサイクルスポーツの衰退を止めることは出来ませんし、今シーズン頑張ってきて、私の力は”屁のつっぱりにもならない”というのをまざまざとみせつけられた気がします。
これからも、日本のモタードの「火」を消さないためにも皆様の協力が必要です。
だからといって、皆様に「どうしてほしい」ということは思いつきませんが、少なくとも伊那サーキットをこれからも「モタードの聖地」として続けていくためには一人でも多くのライダーが伊那サーキットを利用することだとおもうのです。
「レースを行う環境」という「サーキット」が存在することの大切さを考えたことはありますでしょうか。
モタードのトップライダー、松本康、金児伸二・敏之・隆太や松本和資、井原武・・・・
彼らは全て長野県出身のライダーで、モタード創世記に伊那サーキットで走り込んだ方々です。
また、モトクロスのトップライダーに東北出身者が多いのは、モトクロスで走れる環境が
近くに多くあり、いつでも練習できる環境があるからだといわれております。
「地元に練習できるサーキットがある」
これはライダーを育てていく「環境」が近くにあることの大切さを示したものだと思います。
日本の、そして世界に誇れるライダーを育てていくために「サーキット」の存在はとても大事な要素なのです。
私は日本のモータースポーツの繁栄こそが、各自動車・バイクメーカーの技術力向上、ついては世界競争力の向上につながっていると思っております。
そして「練習環境の提供」としてレースを支える「サーキット」を整備することは非常に大切なことだと思っております。
こんな長文でダラダラと書いてしまいましたが、
要は「皆様にとって伊那サーキットは必要?」と言いたいのです。
今一度、「サーキットの役割」について皆様で考えていただければ、
と思っております。
そして、皆様からご意見・感想等いただけたら大変ありがたいです。
長文・乱筆失礼いたしました。
文責:アットエントリー 髙崎 泰志